「オレだってお前のこと好きだよ」
晩飯はハンバーグがいい、と同じテンションの返事。
あ、こいつ絶対わかってねー。
「うそつけ」
「なんで」
「意味わかってないで言ってるだろ」
「わかってるよ。好きは好きだろ? 好きにそんなにたくさん意味があるか」
「あるよ」
「どんな」
たとえば。
見ているだけで切なくなったり息苦しくなったり気が狂いそうになったり。
それなのに名前を呼ばれただけで全部どうでもよくなったり。
そういうの、ないだろ、お前には。
だからお前の好きとオレの好きは違う。
「たとえばなんて、説明できるか」
「それでわかるかよ。やっぱ好きは好きだろ」
「違うね、絶対違う」
「だから、どの辺が」
気づけよ、ばかめ。